「朝起きたら首が痛くて動かせない」、そんな「寝違え」と言われる症状に悩まされた経験がある人は多いはずです。
早く治る場合もあるけど、なかなか治らなくてずっと痛みが続く場合もありますよね。すぐに治すいい方法はないのでしょうか?
寝違えは首の周囲の筋肉に炎症を起こしている状態です。自己流で手当てすると、かえって症状を悪化させることにもなるので注意しましょう。
この記事では寝違えの原因と正しい対処法について紹介します。よく寝違えになって悩んでいる人は、ぜひチェックしてください。
目次
寝違えの原因とは
寝違えの原因は、寝ているときの不自然な体勢にあります。おかしな体勢になっている場合、通常は無意識に寝返りを打つなど楽な姿勢に戻るはずです。
しかし、疲れて深い睡眠状態にあったり、寝ている場所が狭かったりすると、長時間にわたって無理な姿勢が続くこともあります。そのため、首の周辺の筋肉が圧迫されて筋肉や靭帯に炎症が生じてしまうのです。
また、長時間の圧迫で首の筋肉が固まった状態のまま起きたときに急に首を動かすと、筋肉が軽い肉離れのような状態になってしまいます。
寝違えを誘発する原因としては、睡眠中に体が冷えて血行が悪くなっている、前日にスポーツや長時間パソコンを使用するなどで筋肉が疲労していることなどがあるでしょう。
寝違えたらやるべきこと・NGな対処法
朝起きて「寝違えた!」と思ったら、むやみに動かさずに安静にしていることが大切です。寝違えたときにやるべきことと、やってはいけないことがあります。この2つを覚えておくことで、いざ寝違えた時に適切な処理をすることができます。
ストレッチ
体のコリを取るためにストレッチをすることがありますが、それと同じく考えて首のストレッチをするのはNGです。
寝違えは筋肉の炎症や肉離れで、怪我と同じようなものです。下手に動かすことで、症状を悪化させる恐れがあるでしょう。
同じくマッサージも厳禁です。肩こりのように考えて揉めば痛みが和らぐと考えがちですが、マッサージすることで血行が良くなり、炎症が広がる可能性があります。
寝違えは、「動かさずに安静にしなければならない」ということを忘れないでください。
湿布
寝違えた首の痛みを取るためには、安静にしつつ消炎鎮痛成分が入った冷たい湿布を貼るのが効果的です。貼る目安は1時間程度で、長時間貼るのは避けましょう。
冷やしすぎるのは筋肉の血流を悪くすることになり、損傷の回復が遅くなる可能性があるからです。
また、靭帯や腱、神経を痛めている場合は深い部分の炎症なので、冷やしてもあまり鎮痛効果は得られないでしょう。
温める湿布は避けてください。炎症を助長して、症状を悪化させる可能性があります。同じ理由でお風呂で長時間温まるのもNGです。痛みがある時期はできるだけシャワーで済ますのがいいでしょう。
寝違えを早く治すには
寝違えの早期回復には、とにかく安静にすることが大事です。痛みを感じる動作を極力避けることで、少しずつ症状は回復に向かいます。
平均的な治癒までの日数
治るまでの日数は筋肉の損傷具合によって異なりますが、平均的な日数は筋肉の炎症で3日~1週間程度です。
神経痛(頸椎の周囲にある神経が圧迫されて起こる)で筋肉まで炎症が及んでいない場合は、2~3日程度と比較的早く治りやすいでしょう。
捻挫の場合は少し時間がかかります。捻挫は、首を不自然な形にひねることで関節の靱帯や腱、軟骨などが傷ついた状態です。治癒までに1~2週間はかかるでしょう。
早く治すためのポイントは?
早い回復には安静にするのが第一です。楽な状態のまま保ちましょう。
安静を保つことが傷ついた組織を修復する最適な方法になります。
湿布で痛みが和らいでも治ったわけではないので、あまり動かさないことが大切です。
痛みがだいぶ引いてきたら、積極的に回復を促していきます。血行を良くする、筋肉をほぐすなどの方法が効果的です。ただし、症状によって適する方法は異なるので、整骨院に行くなど専門家の指示に従いましょう。
病院は行くべき?
寝違えのほとんどは自然治癒で回復します。しかし、「痛みがひどい」「少しでも早く治したい」というときは整骨院、もしくは整形外科など専門医を受診しましょう。
また、頻繁に寝違えを起こしているようであれば、一度病院で検査してもらうことをおすすめします。
酔うと首が寝違いやすい!
酔って寝たときに寝違えてしまったという人は、けっこういるのではないでしょうか?
実際に、酔って寝ると寝違えが起こりやすいとされています。お酒を飲むと筋肉の血流が低下しやすくなるからです。
また、酔っていると感覚が鈍くなるので、寝返りの回数が減ってしまいます。特に泥酔い状態のときは同じ姿勢で朝まで寝込んでしまうことも多いでしょう。
飲酒したときは、寝る前にミネラルウォーターを飲むといいでしょう。ミネラルを補給することで、筋肉の血流低下を防ぐことができるからです。
寝違えの予防法4選!
寝るときにいくつか工夫をすることで、寝違えを予防することができます。寝違えをしやすい人は、ぜひ参考にしてください。
適度に寝返りが打てるマットレスを選ぼう
寝違えを防ぐには、寝返りがよく打てることが大切です。寝返りをあまり打たないと、長時間首を圧迫し、筋肉や神経を圧迫してしまいます。
寝たときの姿勢と起きたの姿勢があまり変わらない人は、適度な寝返りを促すことができる寝具を選びましょう。
マットレスや布団は、硬めのものがおすすめです。低反発などの柔らかい素材のマットレスは、体が沈んで寝返りが打ちにくくなります。
また、掛け布団が重すぎるのも寝返りが打てない原因になります。寒い時期に何枚も布団を重ねるのではなく、羽毛や羊毛など、軽くて暖かい布団を選ぶといいでしょう。
自分に合った枕を選ぼう
自分にあった枕を選ぶことも大切です。枕の高さが合わないと首や肩に負担がかかります。寝違えとまではいかなくても首が痛くなりやすく、疲れが取れない原因にもなるでしょう。
高すぎず低すぎず、頭が本来あるべき位置に来る高さのものを選んでください。
寝返りをあまり打たない場合でも、枕の位置を正しくするだけで寝違える危険はだいぶ少なくなります。
体はしっかり温めよう
寝ているときの体はしっかり温めるようにしましょう。寒い状態で寝ていると、血流が悪くなり筋肉が硬直しやすくなります。
冬など気温の低い時期だけでなく、夏の冷房にも注意してください。
酒の飲み過ぎに注意しよう
お酒に酔った状態で寝ることは、寝違えのリスクを高めます。
飲み過ぎたと思ったときは、酔いを覚ましてから寝るようにするのがいいでしょう。
ただ、泥酔いしているときは、そのまま寝てしまうこともありがちです。できるだけ飲み過ぎをしないように注意することが大切ですね。
まとめ
首の寝違えの治し方のポイントは、まず安静にすることです。楽な位置に保ち、できるだけ動かさないようにしましょう。
マッサージなど、自己流の間違った方法はしないように注意してください。
寝違えのほとんどは自然治癒しますが、痛みがひどいときは早めに病院に行きましょう。